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「えっ…。あ、和泉待って、いやっ!!」  ただ好きと言う感情を真っ直ぐぶつけてくる和泉が怖くて、気付いたら俺は和泉を押し退けていた。  和泉は最初は驚いた顔をしていたけど、段々涙目になっていき、謝りながら俺に思い切り抱きついた。 「ごめん、奈緒ー!!付き合ってないのに無理やりキスしようとして、本当にごめん!!もうしないから許してー!!」  泣きながら謝る和泉の頭を、俺は優しくなでた。 「大丈夫。怒ってないから。びっくりしただけだから。泣くなって」  何回か撫でていると段々笑顔に変わってきて、少ししたら完全にいつもの和泉に戻っていた。 「奈緒、ありがと。あ、でもさっき言ったことは本心だからね。それは覚えてて。あと、もう気づいてると思うけど、名草さんも奈緒の事好きだと思う。奈緒、俺と同じ気持ちが名草さんにないなら、早めに断った方がいいよ」 「…うん。分かった」  心配そうに見てくる和泉を安心させるように微笑むと、和泉はもっと強く俺を抱きしめた。
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