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どう断ればいいのか全然わからないまま3日が過ぎ、俺はその日の夜晴斗に呼び出された。
店の裏に行くとすでに晴斗はいて、壁にもたれて立っていた。その姿さえ様になっていて思わず見惚れていると、晴斗の方から声をかけてきた。
「おーい、奈緒。大丈夫?あ、もしかして俺に見惚れてた?」
ニヤニヤしながら晴斗が近づいてくる。
「気持ち悪い。その顔」
「ひどっ。まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど。奈緒さ、名草さんに告白されたでしょ」
「え?な、何で?」
一気に冷や汗が出てきて、内心ではめっちゃ焦りながら、やっとの思いで答える。
わずかに声が震えてしまって、今度は無意識に手を握りしめた。
「なんか2人の様子がいつもと違ったから」
「そ、そう?別に告白なんてされてないけど…」
「…なんだ違ったんだ。ごめん、今の忘れて。適当に言っただけだから」
晴斗がそう言った瞬間、一気に緊張が解けて思わずため息を吐いた。
「そっか。じゃあ、俺はこれで」
これ以上何かを聞かれたら、今度こそいろいろ言ってしまうかもしれない。
不安になった俺は、足早にその場を去ろうとした。
しかし晴斗に背を向けた瞬間、腕をぎゅっと掴まれて、そのまま壁に押し付けられた。
すぐに晴斗が顔の横に手をついて、逃げられない状況になっていた。
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