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「まだ、話は終わってないよ。ねぇ奈緒、男に告白されたって聞いたのに全然嫌がってないのは何で?普通は、気持ち悪いって思うよね。何で?」
「えっと、それは…」
「俺、奈緒の事が好きだよ。ずっと、初めて会った時から。返事はいつでもいいから」
それだけ言うと、晴斗は俺が来た方に帰っていった。
しばらくその場から動けずにいると、晴斗が去って行った方から足音が聞こえてきた。
すぐにその方向に振り向くと、そこにいたのは、有馬さんだった。
「あ、有馬さん…。もしかして今の聞いてました?」
「…悪い。盗み聞きするつもりはなかったんだが」
「あ、いえ…大丈夫です」
「そうか…。涼真にも告白されたのか?」
今日2度目の名草さんの話が出て、つい言葉に詰まってしまった。
「…はい」
「…部外者の俺が言うのもなんだが、好きじゃないのに期待だけさせる事だけはするなよ。相手を傷つけることになるからな」
「はい。それは分かってます」
「そうか。じゃ、お前もあんま悩みすぎるなよ。いつでも相談には乗るからな」
去り際にやさしい言葉を残してくれて、その言葉に俺は少し心が軽くなったような気がした。
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