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   もちろんそれだけで納得できるはずない。、俺は和泉にもう一度会うために、和泉の家族に和泉がどこにいるのか聞きに行ったり、携帯に連絡したり、できることは全部やった。でも、和泉の家族は誰も教えてくれなかったし、携帯も番号が変えられてて繋がらなかった。  完全に、和泉は俺のもとから離れてしまった。  そう理解した時、俺は心にぽっかり穴が開いたような…そんな感覚にとらわれた。それでもまだ認めたくなくて、繋がらない電話にかけ続けた。  そして高校の入学式が近づいたある日、ずっと机の奥にしまっていた手紙をもう一度読んで、俺はもう自分のとなりに和泉がいないことを、知った。    和泉は俺の事、嫌いになったんだ。もう二度と会うことはないかもしれない。そう…思っていたのに。  このドアの向こうに和泉がいる。  あの頃と変わらない笑顔を俺に向けてくれる和泉がいる。  にやけそうになるのを必死にこらえて、俺はもう一度ドアを開けた。 「なんで閉めんの、奈緒。あと、10年前黙っていなくなってごめん。やっぱりもう俺の事は嫌いになってるよな…」 「嫌いになるわけないよ。ばか和泉。もう一回ちゃんと言うな。おかえり、和泉」 「!!うん、ただいま!!」
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