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 10年前より顔つきは大人になって身長も20cmくらい高くなった。それでも、雰囲気は全然変わってなくて…。  10年ぶりに和泉と会えたことが、ただ純粋に嬉しくて、『おかえり』という言葉が自然に口からこぼれていた。  和泉を部屋に上げて、リビングのテーブルに向かい合って座る。何から聞こうかと迷っていると、和泉がいきなり勢いよく頭を下げた。 「本当にごめん。手紙一つ置いていなくなるなんてだめだって分かってたんだけど…。奈緒に会ったら絶対、まだ一緒にいたいって思いそうだったから…」 「それ、どういうこと?何でそこまでして俺から離れなきゃいけなかったのか、教えて」  俯いたまま顔を上げない和泉に、少し怒りを含ませて教えて、と言うとぴくっと肩を揺らした。 「…っごめん。それは、今はまだ言えない。でもいつかちゃんと言うから、それまで待ってて」 「分かった。話してくれるまではもう何も聞かないから、この暗い空気はもう終わり!!時間はちょっと早いけど、夜ご飯にしよ」  俺は一回パンと手を叩いて、時計をちらっと見てからキッチンに向かった。  キッチンには夜ご飯に食べようと思って作っておいたカレーとサラダがある。俺は、それを二人分よそってまたリビングに戻る。
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