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そうだ。和泉も一応レシピを見て作ったと言っていた。それで間違えるわけがない。
大丈夫、大丈夫、大丈夫…。何度もそう自分に言い聞かせながら少しずつスプーンを顔に近づけていく。
不安そうな和泉を見ながら、ついにスプーンを口に入れた。
「…っ!!これは…めっちゃまずい!!なに、この味…」
甘いのか、辛いのかさえ分からない味と硬いのかやわらかいのかさえ分からない触感。どうやったらこんなのができるのかと考えようとするが、頭が割れそう
なくらい痛くて、それはできなかった。
段々と意識が薄れていき、俺の名前を何度も呼ぶ和泉の声を聴きながら、ゆっくりと意識を手放した。
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