… 寒露 …

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「くだらないよ?」 部屋にはいると、幸はベッドにごろんと横になった。 「くだらないことで死にそうになってたんだ?」 「…ほんとだ、くだらなさすぎて殺されるとこだった」 「もう、元気だけどな、」 「まだ頭だるいです、介抱してください」 「じゃあとりあえず、そのカーディガンでごろごろするな」 おれは四万円したお気に入りのカーディガンを脱がせる。 外ほど部屋は寒くない。Tシャツでも大丈夫だろ、って、こいつシャツは着替えてるし、わざわざおれのをもう一度着ておりてきたのか。 弱々しい幸は珍しく、あれはあれで不謹慎ながら見ていてあきなかったが、もとの幸がやっぱりいい。 どこが?うーん、手に負えない感が? 「お腹減った」 …年一回くらいで、弱々バージョンもみたいけど。 「お粥にしとく?」 「つくれるの?」 おれは部屋着に着替えると、ごろごろしている幸の髪をさわる。 「男の一人暮らしをなめんなよ」 どうだか、とゆうふうに幸は首をかしげて、おれの本棚から一冊選んでベッドで読みはじめた。
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