316人が本棚に入れています
本棚に追加
「くだらないよ?」
部屋にはいると、幸はベッドにごろんと横になった。
「くだらないことで死にそうになってたんだ?」
「…ほんとだ、くだらなさすぎて殺されるとこだった」
「もう、元気だけどな、」
「まだ頭だるいです、介抱してください」
「じゃあとりあえず、そのカーディガンでごろごろするな」
おれは四万円したお気に入りのカーディガンを脱がせる。
外ほど部屋は寒くない。Tシャツでも大丈夫だろ、って、こいつシャツは着替えてるし、わざわざおれのをもう一度着ておりてきたのか。
弱々しい幸は珍しく、あれはあれで不謹慎ながら見ていてあきなかったが、もとの幸がやっぱりいい。
どこが?うーん、手に負えない感が?
「お腹減った」
…年一回くらいで、弱々バージョンもみたいけど。
「お粥にしとく?」
「つくれるの?」
おれは部屋着に着替えると、ごろごろしている幸の髪をさわる。
「男の一人暮らしをなめんなよ」
どうだか、とゆうふうに幸は首をかしげて、おれの本棚から一冊選んでベッドで読みはじめた。
最初のコメントを投稿しよう!