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第一回目のお茶会は、和やかな雰囲気で始まった。
薫の部屋は、女性らしい色使いのシンプルな感じだった。
冬は炬燵になりそうなテーブルがポンと置いてあり、パステルカラーの家具が機能的に配置されている。
上がり込んで胡座をかくと、落ち着いた気分になれた。
そして、洒落たティーセットが用意され、ダージリンと書かれた小箱から香り高い茶葉がティーポットに移動、お湯が注がれる。
その一連の動作が、優雅で美しく、和也を見惚れさせる。
お茶のお伴は、某県の銘菓、五万石饅頭。
ダージリン、五万石、ダージリン、五万石、ダージリン、五万石。
やっぱりしっくり来ない。
紅茶のお伴と言えば、パウンドケーキだろうか?
もっとも、突発的なティータイムだから、不備があるのは仕方がない。
だが、さにあらず。
五万石と紅茶は良く合うのだ。
五万石の控え目なこし餡が、紅茶の風味と香りを邪魔しない。
五万石と紅茶の関係のように、和也は、薫とすっかり打ち解けた。
薫は、見かけによらずサッパリした性格で、つい、何でも話せてしまう感じ。
和也は、何だか男友達と話している気分だった。
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