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薫はオリエンタルな顔立ちで、ハーフなのかと思わせたが、純粋な日本人。
それにしては、綺麗な金髪を長く伸ばし、睫毛も長く、目鼻立ちもハッキリしている。
良く笑う娘で、会話もウエットに富み、ずっと話していたい感じだった。
和也は、初対面にもかかわらず、薫に惹かれていた。
「この人!」と思う瞬間があるとすれば、今しかないと思われた。
そう、和也は薫に一目惚れしていた。
その日は、次のお茶会の約束をして、解散となった。
また、二人と一匹のお茶会があると知り、和也の心は浮き立っていた。
そして、2回目のお茶会は、和也が茶菓子を用意する。
知る人ぞ知る銘菓、上島ロールケーキを奮発した。
その日は、あいにくの天気で、どんよりとした雲が、指先でつつけそうな位に低く垂れ籠めていた。
規則的だった雨音は、無茶降りに変わり、周りの音を消して行く。
この部屋だけが周りから取り残される。
そんな錯覚を感じた。
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