秘密事香るティータイム

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 5年前、地方の某大学を卒業し、そのまま地元に就職した和也は、若者特有の病から、思い切って全てを投げ出し、上京した。  彼の病名は、「俺の人生、こんな筈じゃない病」  そして、クリエイターを目指し、家賃の安さが売りのボロアパートで暮らし始める。  初日、和也は郵便受けに興味を持った。  別に、形が変わっているとか、謂われがあるとかじゃなく、ある名前が印象に残ったのだ。  その名前は、「姫琴 薫」  何だか上品で素敵な感じなので、思わず名前の主を想像してしまう。  しかも、姫琴さんは、和也の真下の階だった。
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