秘密事香るティータイム

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 平日の昼間と言う事もあり、人通りは少ない。  和也は、何だか後ろめたいような、優越感があるような、複雑な気分だった。  コンビニで買い物を終え、アパートまで歩いていると、誰かに尾行されている気がしていた。  振り返ると、一匹の黒猫が、和也の後ろから付いて来る。  和也の顔色を窺うように、上目遣いをしている黒猫は、妙に可愛いらしい。  和也は、知らん顔で再び歩き出し、数歩進んでからまた振り返る。  すると、黒猫はビクッとしてから急停止。  その姿が、輪をかけて可愛い。  和也が猫に近づくと、猫の方も、脚に体を擦り寄せて、甘えん坊作戦を始動。  こうなると、アパートでご馳走の一つでもしたくなる。
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