秘密事香るティータイム

7/16
前へ
/16ページ
次へ
 アパートに帰ると、猫は当然のように上がり込む。  ドアを開けた和也より先に入る姿は、もう、女王様かお姫様と言った感じ。  まあ、雄猫かも知れないが。  猫が畳の上にペタペタと肉球スタンプを押して行くのを、和也は、「お前はLINE中毒か!」と突っ込みつつ、雑巾を持って追いかける。  黒猫は、そのまま開け放してあるベランダへ逃亡。  和也としては、何とか取り押さえ、肉球を綺麗にしたい所。  猫は、ベランダで取り押さえられ、足の裏をふきふきの刑に処せられた。  アパートの裏は、川が流れていて、二階から眺めは、まずまずな感じ。  まあ、セーヌ川とは程遠いだろうが、水は汚なくは無さそう。  もちろん、飲めるかどうかは知らないが。  そんな時、階下から声が聴こえて来て、和也の興味を誘った。 
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加