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「ユキネちゃんもそうだけど、アニリンさんもそんな感じらしいにゃん」
「アニリンさん…
それが宮之原嬢が慕う方の御名前。
紳士ですわね」
「にゃん」
そんな言葉を交わす二人だが、パメラはもちろん銀華も知らない。
今はスロロココンビの頼れる味方となったアニリン=ラッセル機関士が、以前ロコへのストーカー行為をしでかしていたことを。
尤も、二人がそれを知らないということは、アニリン曰くツッコミストであるネネ=ボールドウィンが、むやみやたらと人の過去を口外するような人間ではないという証なのだが。
女の子同士の情報網は、オトリンことオトゥーリア曰わくそれこそCIL(ラルベリオン中央情報局)はだし。
男性が何気なく行った行動がたちまち伝播し、その男性に対する評判を左右することもまた、異世界とこちらの世界との共通点であると言えた。
因みにリリカのアニリン株は、あの頃とは比べものにならない位に上がっている。
「ウンファはアニリンさんに会ったことあるの?」
「一回だけあるにゃん。
少しおっちょこちょいだけど、仲間の為なら一肌も二肌も脱げる人にゃん」
ニコニコ顔で銀華。
その様子からパメラは、ユキネなる子が銀華への手紙にどのようなアニリン評を記しているのかを、早くも見当をつけつつあった。
そして…
「宮之原嬢がクトにいらしたら、一緒にロックカットに行かないウンファ?」
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