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その頃ユキネとひよこ三姉妹を乗せた鉄源郷経由スロロコ中央駅行き超特急あじあ号は、鉄源郷中央ステンショのホームに停車している。
停車時間は2時間。
牽引機であるパシナ971機関車も含めあじあ号編成の車齢は80歳を超えるから、停車時間の大部分が整備点検に費やされるのは言うまでもなかった。
やがてユキネは、一本隣のホームがやけに賑やかである事に気付く。
「あほ!
自分らがやり過ぎるから、0系君の前照灯の周りにクマ出来てもうたやんけ!」
「待ちいな阪神さん。
アレはお召し仕様やんか」
「責任転嫁はいけませんよ喫茶店さん…」
そう言い合っているのが、鉄源郷三羽烏こと
阪神861形電車
阪急920形電車
鉄道省52形電車
…であるのは言うまでもない。
そして、そんな三編成をまあまあと宥めている若い女性の服装を見るや、ユキネは何かに思い当たるのであった。
「つ、つばめガール!?」
「違うよユキネ姉ちゃん」
「スワローガールだってば」
「比奈子お姉さんのお母様だぴ」
ほぼ同じタイミングで三姉妹。
三姉妹一の情報通である三女のふこちゃんに拠ると、比奈子お姉さんのお母様の御蔭で三羽烏は以前程激しく張り合うことが減ったそうであった。
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