行こう!スワロー国へ

2/7
前へ
/400ページ
次へ
 良く似ているけれど、何から何まで同じではない世界。 こちらの世界に例えるならば、外見こそ双子のようにそっくりなビルとビルがでも、その中身までが同じとは限らないということ。 そんな世界に、否、そんな世界とそこに住むあの人に憧れる女子大生…宮之原(みやんばる)ユキネ21歳。 ユキネは今、日本どころかこちらの世界に暮らす殆どの者がその存在を知らずに過ごしている国…スワロー国に向かう為、これまた殆どの者がその存在を知らずに過ごしている駅…モグラ地鉄垣戸島中央駅のホームに佇んでいた。 そんな彼女のちょうど頭上にある反転フラップ式の案内板が、ちょうど1時間後にお目当ての列車が地鉄垣戸島中央駅を発車することを知らせてくれる。 案内板に拠ると列車の名前はあじあ。 列車種別は超特急。 天狗様の抜け穴に設けられた特殊併用軌道と、鉄道車輌の極楽浄土である鉄源郷とを経由し、あの人が住むスワロー国はスロロコ中央駅(別名地鉄クト驛)に至る地鉄自慢の異世界間連絡国際特急列車であった。 「イファちゃんももうすぐ1歳か。 銀華(ウンファ)ちゃん、今頃リリカさんたちとホームパーティーしてたりして」
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加