9人が本棚に入れています
本棚に追加
親友銀華=ルーデル曰く年上同盟の同志こと、リリカ=グラスカステンの笑顔を思い出しながらユキネ。
いや、積極的なリリカさんの事であるから、ひょっとしてもうリリカ=ヤマシタになっているかもしれない。
それとも、外見に反して奥手な平佐衛門さんの事であるから、リリカ=ヤマシタ5分前=グラスカステンさんかもしれないではないか。
「そうそう、駅長さんとロコさん、そろそろ結婚してたりして。
それどころか…」
「あ!
ユキネちゃんめっけ!」
「もう、ひょこちゃん!
妹がすみません…」
「ぴ♪
ユキネちゃん、彼氏が出来たってホント?」
不意に響いた可愛らしい三つの声が、ユキネの回想を不意に打ち切る。
やがてユキネが内心ギクッとしながら振り向くと、そこには三羽のひよこがぱたぱたぱたとホバリングしているのが見えた。
「ひよこ三姉妹!?」
「ぴ♪♪♪」
恐らく同時に囀ったのであろうが、ユキネの耳には一つの囀りにしか聞こえない。
要はそれくらい、ひよこ三姉妹の息がピタリと合っているのだろう。
「陸助さんが心配するよ?」
苦笑しながらユキネ。
しかし三姉妹の長女であるはこは、何だそんなことといいたげに嘴(くちばし)を開く。
「梨菜ちゃんのお守りの御褒美に、スワロー国に旅行に行くの」
最初のコメントを投稿しよう!