第9章

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「暴れるくらいの元気があるなら大丈夫かな。でもまぁ、大人しく運ばれろ。落とすぞ?」  うっ。 「だ、だって……はっ、恥ずか」  私は立花君の背中を見ていると。 「蝶野さん?」  私を呼ぶ声が少し遠くから聞こえた。 立花君に担がれたまま、私はその声の方、階段の方に頭を上げて見ると。  あ、ちょ、立花君までそっちみたら私の逆になるから見えなくなっちゃうっ。 「……誰? 蝶野、知り合い?」 「う、うん。図書部の部長の、東宮先輩」  ふぅん、と立花君は言うも、私を下ろす気はさらさらないようで、よっ、と担ぎ直した。 反動がお腹に伝わって、ちょっと痛い。  それから東宮先輩は畑を横目に見ながら私達に近づいてきた。 「こんにちは。図書部三年の東宮です。立花君、かな? 生物部植物科の。蝶野さんから話は聞いてるよ」
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