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「ここが蝶野さんのお気に入りの場所、かぁ」
「は、はい。どうですか? 旧校舎、初めてですよね?」
東宮先輩は以前、旧校舎に来たい、と言っていた。
それに部室にも。
「蝶野さんが言ってた通り、階段きつかったね。畑も綺麗にしてるし、部室も。なんかわかるなぁ、秘密基地みたいな感じだね」
東宮先輩は、きょろきょろ、と部室を見回しながらそう言った。
好感触のようで、私はちょっと嬉しい。
「ところで気になったんだけど、この団扇の押し花は蝶野さんの作品かな?」
うっ。
「当たりみたいだね」
私は顏に出してしまったようで。
「そ、う、です。でも、どうしてわかったんですか?」
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