第9章

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――夏休みだというのにほぼ、学校の旧校舎に来ていて。 立花君と会えるからとか、そういうのも少しはあるけれど、生物部の活動が楽しくなってきていて。 そんな八月の暑い日に、小さな花を私達は見たのだった―― 「うー……暑いー……っ」 「はいはい、暑い暑い」 「暑いー……っ、何で立花君、平気なのー?」 「蝶野、さっきからそればっかだな。俺だって平気じゃねぇよ、今日は一段と暑いしな。けど、もうちょい静かに手ぇ動かして」  八月の中旬は夏真っ盛りで、夏の日差しが照り付けていて。 暑い。 もう一度言うけれど、暑い。  そんな日差しの下、学校は夏休みだけれど、私達は生物部の活動のために旧校舎に来ていた。 もちろん、先輩二人も。 お昼に一度、旧校舎の部室に寄ったのだけれど、相変わらず色んなところに出かけているみたいで、今はいない。
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