第9章

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「はぁい。それにしても草って、めっちゃ生えてくるんだね。この前取ったばっかりなのに」 「この前雨降っただろ? それでまた伸びたんだよ。こいつらも生きてっからな」  それでも伸び過ぎでは、と私はまた草を抜く。 ジャージにティーシャツ姿の立花君も、せっせ、と草を抜いていた。 私も変わらず、ぶかぶかの軍手をして、同じように草取りをしているのだけれど、立花君みたいに慣れていないので早くは出来ない。 早く終わらせたいと思うのだけれど、この暑さだし、もう一時間くらいしているし、だれてきちゃっていて。 「うー、んっ」  私は立ち上がって腰を少し沿った。 ずっと屈んでいたので体が固まっているのだ。  あー……天気、良すぎ……。  と、私は黄色い日を見上げる。 視界が、ぐるぐる、とした。
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