第9章

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 っていうか、手……繋いだまま、なんですけ、ど? 「蝶野、体重何キロ?」  ……はぁ!? 「たっ!? なっ、何聞いてんの!? お、教えるわけ、ないじゃん!」  女子に何聞いてんのさ!  私は、ぺいっ、と立花君の手を振りほどいて、ぷんすか、と怒ってみせる。 けれど、やっぱりまだちょっと足がふらついてしまって。 「無理すんな」  と、立花君は私の腕を掴んで支えてくれた。 「うー、ごめん。気持ち悪いとかはないんだけれど……って、何してんの?」  立花君は私の腕を支えたまま、中腰になっていて。 「部室で休憩しよう。だから運ぶ、っと」 「えっ」  と、私の体が浮いた。 本当に浮いたわけではなくて、立花君が私のお腹に腕を回して、ひょいっ、と持ち上げたのだ。
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