第9章

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 白いポロシャツ姿の東宮先輩は、一冊のノートを手に持っているようで、眼鏡を上げながらそう言った。 「……ちわっす。一年の立花です。蝶野に何か用ですか?」 「こ、こんにちは東宮先輩っ。すみません、こんな恰好で。立花君っ、下ろしてってば!」  私はまた立花君の背中を小突く。 「すいません。只今ちっこいのが狂暴化してるので捕獲中です」  立花君、何言ってんの!? っていうか、立花君が先輩の方向いたら、私が先輩を見れないんだってば! 「ははっ、仲良いんだね」  この状況で仲が良いって、先輩ずれてる! 「……別に、普通です。な?」 「いいから下ろしてーっ!」  と、私がもう一度言うと、立花君は、ぐるん、と回ったので私は立花君にしがみつくはめに。
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