神様が残していたモノ

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テーブルの上に料理が並ぶと、修太の母と三人で食事を始める。 修太の父はまだ帰宅していなかった。 「それにしてもいつのまに、こんな可愛い子を捕まえてたのよ」 修太の母が修太に話しかける。 「いや、まだ全然そんなんじゃないし……」 「そんなんじゃない子とキスしてたの?」 「ブッ」 美奈都は思わず啜っていたお茶を吹きだした。 「でも良かったわ。可愛くて気の利く子が彼女になってくれて」 修太の母に見つめられて、美奈都は恥ずかしくて俯く。 「修太が稼いでくれるおかげで、家政婦さんが雇えるくらいのお金はあるんだけど、私って自分で何でもやらないと気が済まない性質なのよ。それで今ご飯を作ってアナタに座りなさいって言ったら、アナタはお手伝いしますって言ってくれたでしょ。 そういう気持ちが本当に嬉しくて、大事な息子を任せるなら、そういう子じゃないとね。ところでお名前は?」 「今治美奈都です」 美奈都は修太の母に認められたことが嬉しいけど恥ずかしくて、はにかみながら答えた。
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