友情の復活と絶望の時

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伊藤はパソコンを操作すると、先ほど修太の声で涼花に電話をかけたのと同じ要領で、将也に電話をかける。 『もしもし、焦ったぜ。5分経ったのに出て来ないから、警察に電話をかけようと思ったら、電波が全然入らなくてさぁ』 「そんなことより、伊藤を取り押さえたぞ。オマエもすぐに中に入って来いよ。リビングに入って左の部屋にいるから」 パソコンから出たのは晃司の声だった。 『分かった。すぐ行く』 伊藤はニヤニヤしながら修太を見る。 これで将也も餌食になってしまうだろう。 修太は悔しくてたまらなかった。 将也が中に入ってくる気配。 伊藤がスプレー缶を構えて身を隠す。 「おい、こっちか?」 将也が部屋に入ってきた瞬間、ドアの陰に隠れていた伊藤が、スプレーを吹き付けた。
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