961人が本棚に入れています
本棚に追加
「松井くん。みんなに内緒で二人きりになれないかな?」
「え?」
三時間目の授業が終わってすぐに、香川怜が小声で話しかけてきた。
「松井くんにお願いがあるんだけど、ちょっとみんなには知られたくないの? 今からちょっといい?」
「あ、ああ、うん」
怜がそのまま教室から出て行くので、松井亮平はすぐに後を追いかけた。
怜はそのまま階段をあがり、屋上に出る扉の前で立ち止まる。
普段屋上への扉には鍵がかかっているから、ここに来る者は誰もいないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!