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「あのさぁ松井くん」
怜に甘えた目で見られるとドキッとする。そこらへんのアイドル歌手なんかより、ずっと可愛い。
どれほど菊川晃司を羨ましく思ったことだろう。その晃司が死んで、あれほど泣き崩れていて、昨日も学校を休んだ怜が、いったい何の用なのだろう
「今、彼女とかいるの?」
思わぬ質問である。
「え? い、いや、いないけど……」
これはまさかとは思うけど、愛の告白とかそういうことなのだろうか?
「あのさぁ、絶対に秘密にしてほしいんだけど」
そう言って目を見つめられる。
亮平は口から心臓が飛び出しそうなほどドキドキした。
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