生き残りをかけた戦い

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杉本優香はいつもの通り、ベッドに寝転がって親友の大野はるかとLineのやり取りをしていた。 新学期が始まると、優香は二年生になる。 最近の話題はもっぱら、生贄投票のことだった。 今まではどこか他人事として、先輩たちに同情していたのだが、いざ自分たちが二年生になるという状況を迎え、もしかして二年C組になったら、ヤバいんじゃないのかと誰かが言ったのを皮切りに、呪いは二年C組にかけられていて、代々受け継がれていくというふうに囁かれ始めたのだ。 そんなのは都市伝説みたいなものだと思いたいが、優香はどうもそういうのを気にする性質だから、春休みに入ってからというもの、ずっと気にし続けていて不安だった。 新学期は来週の月曜日から始まる。生贄投票というのは、毎週月曜日の深夜に始まるから、もし二年C組になって生贄投票が始まったら、毎週先輩たちみたいに月曜日の深夜に怯えながら生活をし、そして仲間同士で殺し合いをしなければならなくなるのだ。 とにかくC組にだけはなりませんように……。 優香は最近、そればかりを願っていた。
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