回想

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「うげー疲れた~相変わらずの野郎だ」 「おまえが下手なだけだろ!うまけりゃとって来いノックの数も減るぜ」 「うるへー!せいぜいがんばりますよ」 そう、俺はとてつもなく守備が下手である。 しかし、打撃はそこそこ、この中学なら長打力と肩の強さは1、2位を争うくらいだ。中学から始めた野球。小学生からなら間違いなく投手をやっていただろう。 野球をやり始めたきっかけは野球ゲームが楽しかったからである。 小学校は夏休みにある子供会のソフトボールくらいしかやってなかった。 でも、運動神経はそこそこである。 守備に不安があるためレギュラーになかなか先発メンバーにはなれなかった。 「毎日お疲れなこった!」 「とって来いノックとか軽い体罰じゃん。まぁ、俺は負けないけどね!」 とって来いノックとはエラーした選手と逆の守備の方向にボールを打ち、それを取ってくることである。 俺はライトを守っていたので、打球はレフト方面へ…しかも、中学校ならではの変則グランドでレフトが広い。長方形みたいな形をしている。それを毎日3回はやっていた… おかげで、体力も足腰も強くなったけどね。 そんな会話をしてる中、部室の窓から女友達が来た。 「エイジ!武道館の裏で待ってるってよ!」 「着替え中だバカやろー!…ん?てか、何が?」 「わかるだろーがよ!早くいってやれ!」 「…………はっ!」 俺は無言で着替えて皆に笑顔で手を振りながら……窓から飛び出した! 「おい!捕まえろ!」 外にいたバスケ部の友達に捕まった。 「離さんかーい!」 「行くって言うまで離さーん!」 「わかった!わかったよ!」 俺は諦めた。……訳がない! すかさず自転車に乗ると一瞬しにて囲まれた。 「……はい。今度こそワカリマシタ。」 流石に諦めた。 「あぁ、どうしよう。こいつはどうしよう。断る理由がないけど……話したこともないし…」 あれこれ考えてるうちに武道館の裏についてしまった。
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