回想

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次の日、俺は昨日の話題で皆に囲まれた。 「何て言われた?」 「何て言ってOKしたの?」 「うるせー!ほっとけ!」 正直どうでも良かったし、実感もわかなかった。 朝来てもいつも通り。 昼休みもいつも通り。 部活前もいつも通り… いつも通り…いつも通り… あれ?1日終わっちゃったじゃん! 帰り前はやっぱり同じ質問攻め… 「一緒に帰るんでしょ?」 「今日はあっちが塾です。では、また明日」 結局初日は1回も話さないで終わった。 次の日の朝…いつも通り 昼休み…いつも通り 部活前も…いつも通り 今日は休み時間に廊下で笑顔で手を振ってきたことくらい。 次の日の朝…隣のクラスの女友達が来て… 「ねぇ、話さないの?」 「ん?何が?」 「せっかく彼女になったんだから話しなきゃ!」 「ん~用があれば来るでしょ。」 「えーそんなんでいいのぉ?」 「んー…なに話していいかもわからんし…」 「そっかぁ…まぁ、ちゃんと相手してあげてね」 「ほーい。」 それからは休み時間ごとに刺客が来た… 趣味、好きな食べ物、タイプ、どこに行きたいか… いや、自分で聞きに来るっしょ!ってツッコミを入れたかった。 彼女も俺もお互いに相手任せのタイプだったのでズルズルズルズルズルズルしていった。 帰りも、部活で時間が合わなかったり… 時間が合ってもどちらかが「帰ろう」と言うまで帰らなかった。 彼女は基本、車で送り迎え。 そのため、痺れをきらして迎えを呼んで何度か帰ってしまったときもある。 「よくわからんなぁ…」 と、思いつつ俺も帰った。 でも、たまには「帰ろう」と、言ってくるときもある。 そのときは一緒に帰る。 ルートは人目につかないように学校の裏からまわって途中まで一緒に帰る。 彼女と俺は逆方向。同じ方向なら家まで送っていってもいいが、流石に逆方向はきつい。時間があればいいとも言ったが、そんなことまずない。 しかし、一緒に帰っても…話せない! 何を話していいかもわからん! お互いに…………と言う時間が過ぎていく。 たまに話せると、一瞬燃え上がってすぐ終わる。 話したり、話さなかったり… なんとも言えない時間が過ぎていった。
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