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思い出してみた…
延長10回。相手は満塁策をとり一死満塁。
うちのバッターは1番。
スクイズを警戒しつつ相手ピッチャーは投げてきた。
高めのストレート…
ヵキーン!
ピッチャーの頭上をライナーで抜けた。
バットに当たる瞬間にはヒットになるのがわかったため、俺はベンチを飛び出していた…が、センターがほぼ芝生の切れ目にいた!俺は一瞬「やべっ!」と思った。しかもこのペースでいったら三塁ランナーのたっちゃんより早くホームに着いてしまう!たっちゃんは正直足が遅い。しかも、ライナーバックしていたためにスタートが遅れていた…
「おいおいおいおい!ホーム刺されるんじゃねーか!?」と一瞬でいろいろ考えたが、もう足は止まらない!さらに!みんなもつられてついてきている!!
センターが懸命のバックホーム!
キャッチャーが精一杯伸びた!
三塁ランナーの中山のスライディングがホームに刺さる!
…判定は!?「…セーフ!」
「サヨナラだー!!!」
スタンドも歓声がなりやまない!
俺は嬉しさのあまりたっちゃんに抱きついた。
その抱きつく瞬間のため両手は飛行機の翼のようだった…
「なにこれ!?だっさ!」
「いーじゃん!ど真ん中だせ!」
「なんだかなぁ…まぁ、いっかぁ。」
「次はいつだっけ?」
「来週、土日と。」
「次も期待してるぜ!」
「簡単に言うけどなぁ…かなりのきつさだぜ。やれやれだ。」
その日は授業の度に話題になった。
授業も終わり、部活が始まった。
アップも終わり、監督がやってきた。
「集合!」
監督を中心に、円陣を組む。
「昨日のはお疲れさん。今日は軽めにやってさっさとあがるぞ!」
…そして、1週間があっという間に過ぎた。
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