高校

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そして、学校に戻った。 結果がどうあれど夏の大会のあとはヒーローになることが多いのが野球部である。 …ただし、レギュラーに限る! バスが着くと女子はキャーキャー言いながら手を振ってくるし、男子はやけに盛り上がってる。 そこからは写真ラッシュの始まりだ。 あっちこっち話したことない人とも混じって写真をとる。 …ただし、女の子は違う。 エースの岡野は俺との大親友。 グランドでの3年間の思い出を思い出して部室に向かった。 二人ともあまり過去にはこだわらないタイプである。このときも 「やっぱ、物足りないな。」 「そうだな。でも、しゃあないさ」 ぐらいの会話でお互いにすませるのである。 そして、部室前で、1人の女の子が恥ずかしそうに来て言った。 「あの…写真いいですか?」 「いいよ!撮ろーぜ!」 岡野も俺も3人で撮るものだと思ったら… 「…お願いします。」 俺の前にカメラがきた。 「…あぁ、はいよ、ならんでならんで…撮るよー。」 「ありがとうございました。」 「はーい、どういたしまして」 二人の間に少し沈黙が続いた。 「…ぷっ!ぶはははは」 岡野が均衡をやぶった。 「まぁー、こんなもんでしょうね」 負け惜しみのように俺が言った。 「やっぱエースと補欠の差ですよ。仕方なし。カナシー!」 「まぁ、そのうちお前にも来るよ」 「別にいいし。もう帰るぞ!」 「おう!また明日な!」 お互い親が待っているので車に走っていった。
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