全てのはじまり

3/13
前へ
/84ページ
次へ
「ねえ桜、だるまさんが転んだ、しない?」 私の幼馴染であり、大の親友である、日茉莉が机の上に座って、退屈そうな声で聞いてきた。 「いいよ!どうせ暇だし、することないもんね」 「えっ…でも、今からここでするのはやめようよ。だるまさんが転んだを放課後にしたら、呪われるっていううわさ、あるじゃん?」 同じく親友の花恋がおどおどと言った。 「バカじゃねえの、花恋。んなの、ただのうわさだろ、う・わ・さ。俺、やるわ、暇だから」 私たちの幼馴染の公平が鼻で笑いながら言った 「どうせいつも暇なくせに、このバカおと…痛っ!何すんのよ!」 日茉莉の頭を公平がぱしり、とはたく。 「僕がこんなやつらとだるまさんが転んだ、を遊ぶのか?バカらしい」 産まれた年が1年違うからってかっこつけてる颯音。 「颯ちゃん、あたしも馬鹿だって言いたいの?」 颯音の耳をぎゅっとつねる花恋。 二人とも、好きな人と仲良くていいなあ、と私はいつも思う。日茉莉と公平はケンカばっかりしてるけど、仲が良いし、颯音はときどきかっこつけてるけど、花恋の事が好きで好きでたまらないみたいだし。幼馴染っていうだけだけど、それでもうらやましい。 それにくらべて私は… 「しーちゃんもやるでしょ?」 「ああ?別にどーでもいい」 こんなんだもん。 しーちゃん-瞬はすごくかっこよくて女子にもすごい人気があるけど、すごい無愛想で、私以外の人なんかとは絶対しゃべらない。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加