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***** 「わぁ、カワイイー、触ってもいいですか?」 「いいけど…」 私は、今、 五十嵐動物病院の待合室で、 ゲージに入れられた、さっき私にぶつかってきた猫を見せてもらっている。 話しによると、 ゲージから出して世話をしてる途中に逃げ出してしまい、挙げ句、私にぶつかったらしい。 あの後、 私が足首を捻っていることに気づいた、イケメンこと、五十嵐海翔(イガラシカイト)に、 脚を診てやると言われて連れてこられたのが、すぐ近くで彼が開業しているこの動物病院だったのだ。 捻った脚を診てくれるのは、動物の治療で慣れてるからか、とても優しかったけど…、 話し口調は猫へ掛けられるものとはやっぱり違い、 私への口調は無愛想で、とても素っ気なく、不機嫌そうなものだった。 獣医だから、 人よりも動物に対して特に優しいから、そう感じてしまうんだろうか。 それとも、 綺麗で整いすぎている容姿のせいで、余計そう感じてしまうだけなんだろうか。 ふと、そんなことを思ってしまった。
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