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「わぁ、カワイイー、触ってもいいですか?」
「いいけど…」
私は、今、
五十嵐動物病院の待合室で、
ゲージに入れられた、さっき私にぶつかってきた猫を見せてもらっている。
話しによると、
ゲージから出して世話をしてる途中に逃げ出してしまい、挙げ句、私にぶつかったらしい。
あの後、
私が足首を捻っていることに気づいた、イケメンこと、五十嵐海翔(イガラシカイト)に、
脚を診てやると言われて連れてこられたのが、すぐ近くで彼が開業しているこの動物病院だったのだ。
捻った脚を診てくれるのは、動物の治療で慣れてるからか、とても優しかったけど…、
話し口調は猫へ掛けられるものとはやっぱり違い、
私への口調は無愛想で、とても素っ気なく、不機嫌そうなものだった。
獣医だから、
人よりも動物に対して特に優しいから、そう感じてしまうんだろうか。
それとも、
綺麗で整いすぎている容姿のせいで、余計そう感じてしまうだけなんだろうか。
ふと、そんなことを思ってしまった。
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