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「はぁ……」
「あれ、ため息なんてついてどうしたの?」
勉強会を終え、オレンジ色の空の下、俺とサヤは歩いている。阿須香さんと由紀さんとは現地で別れた。
「明日のテスト、不安かな?」
「いや、テストの方はやってみねーとわかんねぇ。俺、阿須香さんに嫌われてんのかな」
「……」
えっ……黙ったってことはやっぱり。嫌われるにしても明確な理由がわからない。だから改善しようにも改善出来ねーよ。
「違うよ。阿須香は嫌ってなんかないよ」
「……そうなの?」
「うん、トゲトゲしいのは阿須香の素なんだよ。あー見えて凄く繊細で、自分の性格にコンプレックスを抱いてるんだ」
知らなかった。てっきり嫌われてるものだと……。
「阿須香がキツく当たるって事は、気を許している証拠なんだよ。やったねみっちゃん」
やった……のか? 何をやったのかわからないが、とりあえず嫌われてはいないみたいで少し安心した。
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