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「所長、こちらは準備出来ました」
「こっちもこれで、と。よし完成だ」
時刻は午後4時50分。夏祭りの1日目開始まで後10分という所で滑り込み的に屋台は完成を迎えた。
「それにしても、もう夕方だってのにまだまだ暑いわねー。雪でも降らせてやろうかしら」
「それは夏祭りの風情とか……いろいろぶち壊しなのでやめたほうが……」
「千里の言うとおりだな。つーかお前だけ屋台の組み立てに参加してないんだから文句言うんじゃありません!」
ぶーたれる雪女をたしなめる相一。そんな彼に悪戯っぽい笑みを向ける氷柱。
「ふっふーん? そんな事言っちゃっていいのかしらー? あたしがいなくて屋台の営業できるのかしらー?」
「うぐっ、し、失礼しました氷柱サマ、どうぞ何なりとお申し付けくださいナ。とまあ、冗談はさておき今回はお前の力に頼る部分が大きいからな、欲しいものとかあったら言ってみ? できる範囲で何でも言う事聞いてやるよ。……お金以外で」
「氷柱さん、あんまり所長を困らせるようなことは……」
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