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璃亜の静かな、それでいて威圧感を覚える声にビクぅ! と肩を震わせる。
「あ、あははー、冗談よ冗談よ」
普段は傍若無人な雪女も、吸血鬼には敵わない。それは別に種族としての力差だけから来るものではないのだが。
「とにかく、みんなよく頑張ってくれたな。この調子で明日も……日付的には今日だけど、よろしく頼むよ」
所長として、威厳もへったくれも無い状態の相一の言葉に皆が応えた。
「そーですねー、明日もがんばりましょー。あ、探偵さんコレってバイト代とか出たりします?」
皆がそれぞれ就寝のための準備を終え床につく。普段は寝室に四人並んで寝るのだが、今日は詩織がいるので相一が来客用ソファで寝る事になった。璃亜は最後まで自分がソファで休むと言って聞かなかったが、さすがに女子高生と同じ部屋で一夜を過ごすのはいかがなものかということで相一が押し切った。当の詩織本人はまったく気にしていなかったが、相一曰くそこら辺は気分の問題なのだとか。
そうして全員が眠りに就いたのは午前1時を回る頃だった。
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