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「覚悟しなさい吸血鬼! 今日という今日は完膚無きまでに叩きのめしてやるんだからっ!!」
雪女の手のひらが青白く光り、直径一メートル程の氷塊が正面の吸血鬼目掛けて撃ちだされる。
「開幕飛び道具は牽制としては有効ですが、それ故に読みやすい。同じことの繰り返しで私に勝てるとは思わない事です」
ハードル飛びの様に氷塊をジャンプで乗り越えた吸血鬼はその勢いのまま雪女の懐へ潜り込む。
「そして、飛び道具を得意とする者は、得てして接近戦に弱いと相場は決まっています!」
ドガガガガガッ! と、豪雨のように撃ち込まれる吸血鬼の拳に防戦一方となる雪女。
「くっ! こ、の――――いい加減にしろォ!!」
吸血鬼の一瞬の隙を突き前方の地面から突き上げる様な形で鋭い氷槍が現れる。
が、吸血鬼は身を捻り紙一重の所でこれを回避する。
「そんな!? 今のタイミングで避けられるなんて!?」
大きな攻撃には大きな隙が生まれる。そしてその隙を見逃す程、吸血鬼というキャラクターは甘くない。
「これで――――終わりです!!」
止めの一撃が、放たれた。
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