第3章

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ビクゥ! と、予想以上に近距離での対面に少々驚く。 「うおぉう、脅かすんじゃねぇよ。つか、礼はいい、天柳探偵事務所って所に行きたいんだが……」 「はい! それなら丁度今から向かう予定だったので喜んで案内して……、ってぎゃあ! 時間が!?」 「なんだ、急いでるのか? だったら……ホレ」 「え? わ、うわわ」 銀月は戸惑う少女を無視して小脇に抱えダンッ! と、強く地面を蹴りつけた。一瞬で地面との距離が離れ、ついでに少女の意識も遠のいていく。 「きゃぁあああぁあああああ!?」 「おら、愉快な悲鳴あげてないで道案内頼むぜ」 明るい街の大通り、正確には並び立つ建物の屋上を風の様に疾走していく。 「た、確かにコレなら間に合いそうですけど! 私の精神衛生上良くないというかなんというかー!?」
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