第3章

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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 時刻は午後4時。街のどこかで中原詩織がガラの悪い少年達に絡まれている時、落ちかけた夕日は街を赤く照らしていた。 「ただいまー」 買い出しに出ていた三人が事務所に帰ってきた。相一の両手は先ほど買ってきた、かき氷のシロップや日用品で塞がっているため氷柱に扉を開けてもらう。 「いやぁー、この時間でもまだまだあっついわねー。早く冬にならないかしら」 「……ただいまです」 三人の帰宅に、台所から璃亜が顔を出す。 「買い出しご苦労様です。祭の前に軽く食べられる物をと思い、素麺を用意しておきましたがすぐ食べられますか?」 「おっ、さんきゅー璃亜。丁度腹も減ってきたところだったし、ありがたくいただくよ」 秘書の気遣いに感謝しながら早めの夕食をとる一同。夏バテ一歩手前の身体にひんやりとした素麺が気持ちいい。
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