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「ねぇ、聞きたいことあるんだけど」
「なんだい?」
「あなたがここに来る前、私は窓に見える人影があなたに見えたのだけど」
「何を言ってるんだい? この城は昔から廃墟だっただろう?」
「中に入ったことはないよね」
「まぁ、どちらにせよこんなちっぽけな古城に人なんか住んでいないさ。さ、早く壊してしまおう」
「……そうね」
恋心は時として人を何倍にも焚き付ける。それが、どの道に向いていようとも。
メリッサは、残りの記号を書き終え、小さな火種を落とした。
そういえば、どうして魔法が城から放たれたのだろう。
--謀想渦巻く、隠者の城で邂逅を
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