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「でも、わたしはようやく気付いたことがあります。
もし、わたしや松千代様にお館様が話されたことが、他の者の知るところとなった場合、話した相手を疑わなければならないことになる。
最悪の場合、話した身近な者を斬ることになるかもしれない。
あの方は、そのような疑念の念を持ちたくはないのですよ。
身近なものを疑いたくなどないのですよ。
ご実弟をみずから斬ったことは、今でもお心を苦しめておいでなのですよ。
何でも、ご自分のお心にとどめておくのは苦しいことかと思います。
話してしまったほうが楽になることが世の常にございましょう。」
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