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人里離れた森の奥。
街では子供たちがお祭り騒ぎ、
外れた子供が迷い込む。
化け物木々が、ざわめき誘う。
おいで、おいで、この霧の奥へ。
いたずらする悪い子は、帰り道が判らない。
わんわん泣き出し、へたり込めば、霧の中からランタンタン。
ひょいと現れ、
可愛らしい黒猫が謡う「一名様ごあんなーい!」
コウモリ舞う魔女の家。
扉が開き、耳横を掠めるは9㎜の銃声。
「ひ、」
悪い子は声も出せずに、固まった。
「ヘイヘイヘイ、踊れよベイビィ。今日はハロウィンだ。ようこそ、アタシの城へ、歓迎するぜ?」
イカしたババアが手にするのは、固く冷たい9㎜のベレッタ。
「城? このオンボロ小屋が? いまどき猫の家だってもっと気が利いてるよ」
銃声が、もう一発。
人の言葉を話した猫が、今度は獣の声を上げる。
「“御褒美”が欲しいようだな、“J”」
「ふぎゃっ、はははジョークだよ、ジョーク。クールにいこうぜ、あんたは“冗談が通じる方”の魔女だろ? ミズ・ロージィ」
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