ガラスの靴

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しかも。シンデレラに私を推薦したのが、清水くんだ。恨まれてるのかな、私。 「確か。今日の放課後から練習だよね?」 「えっ!」 うわ。嫌だ…。記憶力の低い私にとって。主役を演じるということは苦痛だ。あのドSめ。 「もぉー!清水くんなんて嫌いだぁ!」 机に突っ伏していると、 「おはよう、谷口さん」 と、透き通るような声が聴こえた。 「あっ。橘くんだ。おはよ」 「どうしたの、朝から」 「もう。聴いてよ、橘くん!」 橘くんはクラスでも格好いいと有名。普段は大人しいけど、喋ってると落ち着くから橘くんのことは好きだ。恋愛感情とかじゃなくて。 まぁ。清水くんも格好いいって有名だけどね。私は断然、橘くん派だ。
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