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目を開ければ、薄闇。
もう一度目を閉じて寝返りを打ったものの、眠気は戻って来ない。
カーテンの隙間からしらじらと、私の夜が明けていく。
一日の始まりはどこか厳粛で、夜と朝の繋ぎ目に立ち合うといつも心が凪ぐ。
もう眠れそうもない。
起きて深呼吸でもしようか。
そう半身を起こそうとする。
『けほ』
やだ、乾燥してたのかな。
喉が調子悪い。
『けほけほ、』
ひゅっ、と短い息を吸って、またむせた。
風邪の引き始めかもしれない。体も重いし関節も軋む。
今夜は出かけるのに。
有名大学の学祭に行った友達が知り合った医学部の男の子との飲み会だそうで。
その子達ほど浮かれてはいなかったけど。
だって人数合わせには違いないし。けど良い出会いを……
夢見てたのよ、あたしだって。悪い?
華やかにしたところで、どうせ地味な顔だから、なるべく手持ちの中で清楚に見える服を選んだ。目立ったら誘ってくれた女の子に嫌われる。
でもこの喉じゃ、話すのも辛いかも。
喉に手をやって、違和感を覚えた。
なんだか指に皮膚が引っかかる。顎、頬、目の周り。
カサカサして、これじゃまるで。
手の甲が目に入った。
皺。
浮き出た褐色のシミ。
艶のない爪。
……待って。
ちゃんと確かめないと。
バックの中に手鏡があるはず。
どうして、こんな………………
その場で、へたりこんだ。
あ、またいつもの貧血……か……も
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