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「レイナさんのいる世界って不思議なものが多すぎですよ~」
ミルはそう言いながら、レイナの後ろにあるエレキギターを見る。
「まぁ、私からしたら魔法とかのほうが不思議で仕方ないんだけどね」
レイナは使ったことのないエレキギターを手に取り、懐かしむように改めて見ていると――。
「【2138年10月31日ハロウィンライブ成功!!】 ちょっと、こんなの書いてあった!?」
「いや、見つけた時はもっと綺麗でしたし、何も書かれてはいなかったですよ~」
レイナは驚きを隠せずにはいられなかった。自分がこっちの世界に来たのは2014年である。こちらの世界では数年しか暮らしていない。ましてや2138年なんてアニメや漫画でしか見たことのない西暦である。
「そんな馬鹿な……」
レイナは後ろを振り向くと、そこにあったポスターの右下には2035年11月11日と開催予定日が書いてある。それどころかポスターには今まで書いてなかったライブの詳細情報まで書かれていた。
「絶対に可笑しいわよ。私が物を見つけた時と変わってるというの……」
「これは、またしても事件の予感ですね!!」
「えぇ、きっと私が戻るためのチャンスが近づいてきているのかもしれないわ」
レイナは強く信じるようにバラの香りを嗅ぎながら、この世界の風を感じて窓の外を眺めていた。
例え、どんな未来が彼女を待ち受けていようとも。
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