第1章

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 レイナのいた世界にはモンスターや魔法の概念なんてなかった。彼女自身、普通の大学を出て就職する予定だったのだが、ある日家の近くを歩いていると小さなブラックホールのような混沌とした渦に飲み込まれてしまった。  気がつくとそこは彼女の知っている世界ではなかった。緑も豊富で空気も今までいた世界よりも綺麗であり、昔に世界史の勉強で見たことのある中世のお城が彼女の前に見えていた。  それは衝撃的であった。未知の体験をしていることによる恐怖だけが彼女を襲う。この世界で生き抜く方法なんて最初は全く考えていなかった。  しかし、この世界にやってきて出会った様々な人たちに支えられ、また彼女の世界に無くてこちらの世界にある魔法によって生きることを学び、そこから元の世界に帰る方法を探していくことを得たのであった。  そして彼女が異世界にやってきて彼女自身に変化があった。それは記憶力の向上であり、いわゆる瞬間記憶能力を手に入れていた。最初は気付かなかったが、読めなかった書物が読めるようになり、魔法の呪文も難なく覚えられたこともあり生きていくための有り難い恩恵であった。
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