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「そっか。……良かったね」
声音は変わっていないから至って平気そうに思えるが、
顔が見えないから不安が募る。
(お前は今、どんな顔をしてるんだ?本当はどう思ってるんだ……?)
もう友人としてはいられないのか、
それともそれすらも超えて嫌いな人間の部類に入ったのか…。
「唐木――」
「それって、お兄さんでしょ?」
(……えっ――)
聞き間違いだろうか…。
「一番上のお兄さん、李煌さんだよね」
名前が出たことで聞き間違いでないことを確信した。
「……知ってたのか」
「僕を誰だと思ってるの?」
振り向いた唐木の顔は、
僅かに口角を上げてはいるが、
少し無理をしているように見えた。
そうさせているのが俺だろうから、何も言えないが…。
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