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「ううん、見かけたって子に聞いたけど袴じゃなかったよ。――ね?相見くん」
(俺に話を振るな)
とはいえ、
俺の話をしているならそうもいかないんだろう。
「……ああ」
俺の返答に周りの女子があからさまに肩を落とした。
「そっかー、残念。袴だったら絶対写メ撮ってたよね」
「うんうん!転送希望する!」
(それは盗撮だろ。新年早々犯罪に手を染める気か。女って怖いな)
素っ気ない突っ込みもそこそこに、
俺は席を立った。
女子の視線に背中を刺されながらも、
教室を出て廊下の窓際に凭れる。
寒いけど、無性に泳ぎたい気分だ。
一人でのんびりと、
静かに…――
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