脱却③

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 水着の上にジャージを羽織り、 プールサイドに来ると、 後から唐木も追いついて来た。 「ふぅ…、間に合った。もーっ!一人で行っちゃうことないじゃない!」  俺に向かって剥れる唐木に眉を寄せる。 「お前、クラスの奴と喋ってただろ。邪魔しちゃ悪いと思ったんだ」 「だからって声も掛けずに行く!?」 「行く。っつか、女の群れじゃねえんだから、そんなことで一々怒るなよ」 「な、なんか大河が冷たい…っ…。僕何かしたっけ?」  一瞬息を呑んだ  どうにかしなければと思う余り、 つい棘のある言い方をしてしまった。 「――…いや、ごめん」 「?…大河?」  不思議そうに俺を見る視線が少し辛い。
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