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「お前は何もしてないから、気にしなくていい」
「本当に?本当の本当に?」
「しつこいぞ。俺が言ってること信用できねぇのか?」
「できる!…けど、さ……」
腑に落ちない様子の唐木に、
どうしたものかと目を眇める。
(…逆にチャンスかもな。ここで切り出せばこっちのもんだ)
「なあ、唐木。部活終わったら少し付き合ってくれ」
「……え?」
唐木の不満そうな顔は、
鳩が豆鉄砲を喰らったようなそれに変わった。
「少し話したい事がある」
「……うん、分かったよ。着替えたら待ってる」
さっきまでとは打って変わり、
静かで落ち着いた声音には敢えて触れないでおく。
俺の声や態度から、
あまり良い話ではないと察したのかもしれない。
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